Bリンパ球クローンはインフルエンザウイルスと結合する抗体を産生してそれを無力化し、一方、Tリンパ球クローンは、インフルエンザウイルスに感染した細胞を手当たり次第に殺す。
たとえば、あるウイルスに初めて感染したときは、これらのクローンが活動を開始するのに五日から十日かかる。
したがって、ウイルスは症状を引き起こすだけ十分に増殖する時間をもつことになる。
しかし、B細胞とT細胞のクローンは、いったん確立されると、一生生き残ることになり、次に同じウイルスがやってきたときにすばやく反応して病気を防ぐための準備ができているのである。
進化する殺し屋疑いもなく人間の体は戦場であり、日々ウイルスが攻撃し、そして免疫系が防衛する。
ありがたいことに、たいていの場合は免疫系が勝つ。
しかしここで私たちは、この日々の戦いがより長期的に見て、戦闘員のそれぞれにどのような影響を及ぼしているかを評価する必要がある。
このことはすなわち、ウイルスとその宿主がどのように共進化してきたかを見るために、何百万年という時間を振り返って見ることである。
疱疹ウイルス(へルペスウイルス科)の古い一族は自然界に信じられないほど広くゆきわたっている。
カキのような原始的な無脊椎動物きえも自分自身のウイルス株をもっている。
これらのウイルスや他のウイルスは、同じ時間枠のなかで彼らの宿主とともに枝分かれして進化してきた。
こうして、哨乳類がおよそ二億二000万年前に肥虫類の祖先から分かれたとき、疱疹ウイルスはすでに体内に居住していたのである。
およそ八000万年前に哺乳類は今日の現代型の種にまで進化し、そして同時代の庖疹ウイルスもまた哨乳類の範に従って進化した。
よって、人間の疱疹ウイルスは、人間の最も近い親類「アジアとアフリカの霊長類」に感染する疱疹ウイルスに最も近い関係にあり、そして個々の霊長類が分かれているのと同じ程度に、疱疹ウイルスもまたお互いから分かれているのである。
進化の時間尺度のなかで、宿主とウイルスのどちらの遺伝子も、多くの突然変異(遺伝暗号が一0万回から一00万回コピーされるたびに約一回の割合ででたらめに起こる間違い)を継続してきた。
突然変異はタンパク質の性質を変化させるため、大多数は変異体にとって不利なのであるが、ときにはこの変化が有利になることがあり、突然変異した生物はその競争相手よりも繁栄するようになることがある。
今、仮性包茎を上手く利用している人は、「仮性包茎は経験の繰り返し」と言われても言い過ぎではありません。